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北海道大学 農学部 Sさん

2022年7月24日~31日 実習感想

マドリンさんに初めてお会いしたのは昨年12月、十勝で開催されたアグリフォーラムに参加した時でした。ゼミの先輩に誘われて参加を決め、マドリンさんのところに泊めていただいて、一緒にフォーラムに参加させてもらいました。フォーラム前日の夜に一緒にご飯を食べさせていただいたのですが、事前に先輩から聞いていた通り、非常にエネルギッシュで前向きな方だなという印象を受けました。その際、マドリンさんから機会があれば今度は作業もしにおいでと言っていただいたことがあり、その言葉に甘えさせていただいた形で今回酪農作業を体験させてもらいました。

【きっかけ】

 最初にも書いたのですが、昨年お邪魔させてもらった際にお誘いいただいたこととその際お世話をしてくださったマドリンさんのお友達の方に昆布干しもできるというお話を聞いていて、せっかくなら酪農と昆布干し両方できたらいいなと思っていました。ちょうど時間がとれる時期に、昆布干しのシーズンを聞いてみたところタイミングが合いそうだということだったので両方体験させてもらいたいと思いご連絡したところ快諾してくださいました。そもそも体験をしてみたいと思ったのは、自分が所属するゼミでは農家さんと関わらせていただく機会が多く、お話を聞く中で、自分は実際に農家さんのお仕事を経験したことがなく、なんとなく上辺だけで聞いているような気持ちがありました。知識的な面ではもちろんですが、何より精神的な面で体験することでもっと深い話ができたり、農家さんも話しやすくなるようなことがあるのではないかと考えるようになりました。そんな風に考えている方はいないかもしれませんが、実際に体験もしたことがあるという人とそうではない人とでは、話す側の気持ちにも違いがあるのではないかと思っていました。1つの農家さんで作業をしたからといってすべての農家さんに実感をもってお話を聞けるとは思っていませんが、少しでもよくなればいいなという気持ちがありました。また、まだまだ不透明ではあるのですが、将来何かの職に就いた際に、仮に現場から離れたり、生産の現場とは関係の薄い仕事だとしても、今の分野を学んでいる身としては、現場での実感のこもった気持ちや農家さんの姿勢を忘れることなく働いていきたいなという思いもありました。

【酪農作業について】

酪農家さんにお話を聞く機会も多いほうで、講義も受講していたので知識としては知っていたのですが、実際に体験してみると想像以上に大変でした。安易な感想しか出てきませんが、本当に体力的にも精神的にも大変な仕事だと思いました。今回、マドリンさんにはかなり多くの仕事を任せてもらえたように思いますが、搾乳の大変な牛や重要な判断が必要な部分は当たり前ながらマドリンさんが担当していたので、私は頭を使うことも責任も圧倒的に少なかったです。それでも作業が終わるころにはヘロヘロになっていたので、普段ほとんど一人ですべてをこなしているマドリンさんは本当にすごいと実感しました。

 かなり多様な作業を任せてもらえたことで、作業同士の繋がりが分かり、一つ一つの作業をどんなところに気を付けて取り組めばよいのか日々気づき、作業を改善することができたように思います。残滓の片づけ一つにしても、その後に牛床の方に投げたものをバンクリーナーに片づけることを考えたら、どんな風に作業したら楽にできるかを頭に置きながらできます。また、餌押しにしても、餌押しが上手くできていれば、牛も満足に食べられますし、残滓の量が減って片づけが楽になるので互いにのためになるなと思い、たくさん食べてほしくてより熱心に餌押しをするようになりました。また、マドリンさんが最初に作業を説明してくださった時に、作業をする意味なども一緒にお話ししてくれたので、一層理解が深まり、作業自体もその流れも覚えやすかったように思います。傍から見たら同じような作業でも、牛の様子も毎日違って、作業している側としては毎日新たな発見や改善点があり、新鮮な気持ちで取り組めたことに驚きました。

 印象に残っていることは、牛の安楽死の現場と出産の現場に立ち会ったことでした。安楽死の現場ではよく分からないうちに牛が動かなくなっていって正直何が起きているのか分かりませんでした。終わった後に話を聞いてやっと理解して、それでもなんとなく実感がわきませんでした。そのあと、牛を牛舎から運び出し、外に置かれていた牛を見て紐をほどいているときにやっと実感がわいてきて、牛に感情移入しすぎてしまっては自分はやっていけないなと感じました。その一方で、出産に立ち会った際には、逆子だったためロープで引っ張っていたのですが、自分がこの手を離したら子牛が死んでしまうかもしれないという危機感でなんとか握り続けることができました。生まれた後も子牛が生きているのか心配で、タオルで体をふきながら、ずっと鼻息を確認していました。立てなかった子牛が立てるようになり、自分の手からミルクを飲んでくれるようになると本当に嬉しくて良かったなと思いました。命名権もいただいたので、今後もあの子牛が元気に育つことを遠くから願っています。

 びっくりしたこととして、立てなくなってしまった牛を立たせる際に牛舎の上の棒の部分にマドリンさんが乗って、天井の部分にロープをひっかけて滑車で引っ張る作業がありました。あの高さを移動して歩いている姿をみて、本当に何でもできないといけないんだなと思いましたし、1人の時にはどうやっているのか気になりました。

【酪農作業以外について】

 基本的に昼と夜は一緒にご飯を食べさせてもらって、お知り合いの酪農家さんのところでご飯をごちそうしていただいたり、農協の方やお友達が来てくださっておいしいものを食べさせていただいたりと食事の度に様々な方とお話できて非常にありがたかったです。初めて会うようなただの大学生である私をあれだけ温かく迎え入れてくださるのは、マドリンさんがみなさんと強い関係性を築いてこられたからだと思うので、そんなところも素敵だなと思いました。取材の場やオンラインセミナーの場にも同席させていただいて、できるだけ色んな経験をしてもらいたいという思いが本当に嬉しかったです。また、生産者として搾った先を知らないことは恥ずかしいと思うという考え方も素晴らしいなあと思いました。とにかく広尾町や酪農、それらに関わる人々を知ってもらいたい、盛り上げたいという思いが熱く感じられて、しかもそのために実際に動いていらっしゃって、そこがマドリンさんの魅力の1つだと感じました。絶対に疲れているのに取材は断らないし、来たいという私のような学生のことも受け入れてくださるので、目まぐるしい日々なのではないかと思います。私が今回来させてもらった理由も、酪農家さんによっては、は?と思われても仕方のない曖昧な理由だったと思うのですが、マドリンさんはそのこともよく理解してくださって、さらに自分の専門分野や将来について悩んでいた部分もあった自分に対して、おそらく自分がいちばん誰かに言われたかった言葉を力強く優しくかけてくださり、思わず泣きそうになりました。また、1週間マドリンさんと一緒に過ごさせてもらった中で、それ以前までマドリンさんに対して持っていたエネルギッシュで前向きな酪農家さんというイメージが少し変わりました。そのイメージ自体は今でもあるのですが、それだけでなく、楽しいからと言って楽なわけではないし、悩んでいることもあるという等身大のマドリンさんも感じられたように思います。そのことを知ったことで、自分も悩みながらも前に進める人でありたいと思ったし、怖がりすぎずに動き出してみようと思えました。

【最後に】

マドリンさんにとっては日常でも、私にとっては非日常の日々だったはずが、帰りの電車で私にとっても少しだけ日常になっていたような不思議な気持ちになって、寂しさを感じました。今回させていただいた経験をいつか何かの形で還元できるような人間になれたらいいなと思います。また広尾町に来て、マドリンさんのところで作業させてもらいたいです!!!マドリンさん、広尾町でお会いして温かく迎え入れてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

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